現代人だけでなく過去の偉人たちも歯に悩んだ人たちが多くいます。今日は、そういった偉人にフォーカスしてお話していこうと思います。今回紹介するのは、偉人としてよく挙がる方、アメリカ合衆国の初代大統領ジョージ・ワシントンです。実は彼も深刻な歯の問題に悩まされていたのです。虫歯や歯周病に悩まされていたジョージ・ワシントンジョージ・ワシントンは若い頃から虫歯や歯周病に悩まされていたそうです。そして、20代の頃から部分入れ歯を使用していたと記録に残っています。ただし、ジョージ・ワシントンは決して歯の手入れを怠っていたわけではなく、むしろ積極的に行っていたそうです。戦時中の記録だけでも数十本の歯ブラシを購入した形跡があります。しかし、その努力もむなしく、米独立戦争で多大な功績を残し初代大統領に就任した1789年の57歳のころには、自前の歯はわずか1本しか残っていませんでした。そしてついには、1796年(64歳)に、最後の天然歯の一本を抜き総入れ歯となったそうです。1ドル紙幣の肖像画が顔をしかめている訳画家のギルバート・スチュワートは、ジョージ・ワシントンの67歳時の肖像画を描きました。しかし、当時の入れ歯は決して質のよい物ではなく、上下が強いバネで繋がった物で、常に口を閉じて噛んでいないと口から飛び出してしまうレベルのものだったそうです。今では考えられないことですが、当時は入れ歯の安定剤もありませんし仕方なかったようです。当時の入れ歯の材質としては動物の歯や、人間の歯が使用されていました。そのため、1ドル紙幣のジョージ・ワシントンは、この肖像画を基にしているため顔をしかめているといわれています。またこの入れ歯のために、ジョージ・ワシントンは人前で話すことを嫌っていたことが知られており、1793年3月4日にフィラデルフィアの上院議会で行われた2度目の就任演説はわずか2分と、歴代の大統領の就任演説としては最短でした。彼は併せて2期(8年間)大統領を務めましたが3期に立候補しなかったのは入れ歯での演説が困難であった事が原因だったとも言われています。大統領として絶大な人気を誇りながら表舞台から去ったのには、こんな悲しい理由があったそうです。ちなみにそのころの日本は江戸時代。当時、すでに現在の形に近い精巧な木製入れ歯が存在していたそう。もし彼が日本製の入れ歯を知っていたら、歴史が変わっていたかもしれません。いかがでしたでしょうか。いつの時代のどんな立場の人でも歯に悩んでいる方は多くいます。現在、入れ歯技術は進歩し、天然歯と同じようにしっかりと食べ物を噛んで食べることができるようになりました。さらに、歯を失った時の治療法は多岐にわたり、患者さんに合わせた治療法も確立しています。現在の、歯を失った際の治療法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。歯が抜けたときの治療法は何があるの?部分入れ歯、ブリッジ、インプラントをくま先生が解説今後、自身の歯をなるべく残していくためにも、くま先生と一緒に歯について学び虫歯や歯周病を予防していきましょう。