お待たせいたしました!PART1に続き、今回は「アメリカで歯医者さんになるにはどうすればいいの?~PART2~」をご紹介していきますね!課外活動も重要視!PART1でGPAやDATスコアが重要だとご紹介してきましたが、そのほかにも人柄も重要です。ボランティアやクラブ活動、研究活動も入学審査時に非常に考慮されます。さらに、リーダーシップなどの対人スキルが優れているとより高く評価されます。医療人として大切なのはただ知識をインプットしていることだけではありません。様々な活動を行うことで、歯科医師になるために必要なスキルや洞察力を身に着けておくことも大切なのです。課外活動などを通じて培ったチームワーク、リーダーシップ力は他者ともしっかりコミュニケーションをとりながら効率的に仕事ができるだろうとみなされます。推薦状が必要!大学在学中は学部生として研究活動に参加する方が多い傾向にあります。入学要件ではありませんが、研究を行うことは歯科分野の研究にも役立つと考えられており、高く評価されています。また、研究活動に参加することで、自分の分野でさらに専門的な深い知識を得ることができ、なおかつ、教授とより緊密に協力することができるので自分の能力や長所を把握してもらうことができます。入学審査時には、3通の推薦状が不可欠です。ハーバード歯科大学院では最大4通の推薦状を提出することができます。3通の推薦状は教員のものからである必要があり、そのうちの2通の推薦状は自分が受講した生物学、化学、物理学関連の教授からである必要があります。4枚目の推薦状は、歯科医師などの専門家からの推薦状が提出できます。テンプレートのような推薦書ではなく具体的に自分をアピールしてもらった説得力のある推薦状が好ましいです。そのため、説得力のある推薦状には具体的な成果が伴っていないといけませんので、研究活動に参加することをおすすめします。提出書類を提出しよう!エッセイを含むすべての提出書類を準備したら、提出期限ぎりぎりではなく余裕をもって早めに提出するようにしましょう。一つの学校だけでなく、いくつかの歯科大学院を申し込むのが一般的です。申請料は一つの歯科大学院あたり約80ドル(日本円約10611円※1ドル132円計算2022年12月現在)をオンラインで支払う必要があります。(ハーバード歯科大学院の場合:95ドル※日本円約12618円)一般的に歯科大学院の入学審査委員会は7月上旬頃から申請書の審査を開始します。合格者には12月1日から通知され、3月末までには合否がわかることがほとんどです。また、その学校に入学した後、どれくらいうまくやっていけるかも考慮する必要があります。非常に競争力の激しい、いわゆる名門と呼ばれる歯科大学院に入学することは素晴らしいことですが、トップのGPAを維持することが困難になる可能性があります。あえて、入学する歯科大学院のレベルを落とし、トップの生徒として目立つことができる大学院に行くことも一つの選択肢かもしれません。個人面接の準備をしよう!歯科大学院の最終審査は個人面接です。ほとんどの歯科大学院では、受験者のパーソナリティ、コミュニケーションスキル、協調性、問題解決能力を見極めるために、対面またはズームで個人面接を実施しています。面接の前に、自分の強みや経歴、課外活動での成果など、伝えたいアピールポイントを自分の中で整理しておきましょう。また、面接はこの学校に入学したいという熱意を審査員に見せることができる絶好のアピールの場です。尊敬するその学校の教授や研究者(発表した論文についても触れるとなお良し)、その学校の好きな特定の科目、プログラムの利点など、なぜその学校に入りたいのか事前に自分の中でまとめておきましょう。ここで大事なのは具体性です。しっかりと下調べをしておきましょう。また、ツアーに参加できるわけではありませんが、事前に応募する歯科大学院を訪れて学校の雰囲気を掴んでおくことをおすすめします。面接時には、質問をする機会も与えられますので、いくつか質問を用意しておきましょう。調べたらすぐわかることは質問しないようにしましょう。よく聞かれる面接の質問を一部分ご紹介しますね。1,なぜこの学校に興味を持ったか?他の学校ではなぜだめなのか?2,あなたが考える、優れた歯科医の特徴は?3,他にどのような歯科大学院に応募しているの?4,入学できなかった場合はどうするの?5,現在の医療システムが直面している課題は?6,歯科医になりたい主な動機は? 7,あなたを合格させるメリットはなに?様々な経験(課外活動など)を織り交ぜながら、自分のアピールポイントを伝えましょう。ここで大切なのは、自分をしっかりとアピールしつつも「誠実さ」「正直さ」「謙虚さ」とのバランスを保つことです。途中でつまずいたとき、あなたの助けになった人(メンター)、そこから学んだことを共有しましょう。また、履歴書に記載されている成果・経験がどのような影響を与えたのか、どのように貢献したかについて聞かれることも多いです。掘り下げた質問をされても答えられるようにしっかりと準備しておきましょう。さらに、別の面接形式としてMMI( The multiple mini interview) というものが挙げられます。この面接形式は、提示された質問またはシナリオを読んで2分間回答準備時間が与えられ、約8分間で質問またはシナリオに対する回答を行います。MMIは合計で約2時間かかります。チームワークやコミュニケーションスキル、問題解決力、状況判断力および全体的な思考プロセスをより適切に評価できるとして近年人気がますます高まっている面接形式です。歯科大学院に入学した後は?歯科大学院に入学した後は、通常4年間のカリキュラムがあり、DDS (Doctor of Dental Surgery)またはDMD(Doctor of Dental Medicine)の学位を取得しなければなりません。DDSとDMDは、各歯科大学院によって名前が異なるだけで、同等の学位です。歯科大学院では、解剖学、歯内療法、生化学、口腔外科等を二年間学び、残りの二年間で臨床実習を行います。卒業後は国および州のライセンス試験に合格する必要があります。歯科大学院の学費は?アメリカの歯科大学院の4年間の学費は平均数十万ドルです。州ごと学校ごとによって大きく異なります。ハーバード歯科大学院の場合、4年間の総学費は464,971ドル(日本円約61563709円※1ドル132円計算2022年12月現在)です。実は、ほとんどの歯科大学院は医学部よりも学費が高いのです。また、試験勉強に費やすのに必要な時間に加えて、クラスや臨床時間、研究で週に40時間近く過ごすことが推奨されます。かなり時間が拘束されますので、アルバイトをしたりするのは困難です。また、授業料だけでなく、生活費も考慮するとかなりの額が必要となります。そのため、ローンや奨学金を申請している生徒も少なくありません。留学生も入れるの?ハーバード歯科大学院(HARVARD School of Dental Medicine)によると、「留学生は、アメリカまたはカナダの大学ですべての先修科目を取得していれば、HSDMに申し込む資格があります。ただし、他の国で学士号を取得した申請者は、アメリカの教育システムに慣れるために、アメリカの大学で少なくとも1年間過ごすことをお勧めします。」とのことです。くま先生のまとめいかがでしたでしょうか。アメリカでは、様々な要素を総合的に判断して、入学決定を審査しています。日本とアメリカでは全く入学システムが異なることをお分かりいただけたでしょうか。ご参考になれば幸いです♪Sources: Frequently Asked Questions | Harvard School of Dental Medicine