アメリカと日本では歯学部のカリキュラムが大きく異なります。日本では大学で歯学部がありますが、アメリカの場合、大学院に行かないと学べません。それでは今回は、アメリカの歯科大学院に入学する手順をPART別に分けて解説していきます!大学を卒業してから歯学部に!?はじめに日本とアメリカのカリキュラムで大きく異なることがあります。日本の場合、高校を卒業したらそのまま歯学部に入学できますよね。アメリカの場合、歯学部は高校を卒業してすぐに入学することができません。アメリカでは、歯学部、医学部、法学部は大学院として位置づけられています。はじめに、大学に通って4年間一般教養を学び、学位を取得した後に歯科大学院に入学することができます。学士号を取得することは、歯科医師になるための第一歩です。学士号を取得しない限り、歯科大学院に入学することはできません。人によって異なりますが、大学では、化学、有機化学、生化学、生物学、物理学、統計学など日本でいう理科系分野を専攻する方が多いです。各歯科大学院には独自の先修科目(prerequisiteといいます)のリストがあり、入学するために必須な科目・単位を取得しなければなりません。ハーバード歯科大学院では生化学3単位、生物学8単位、無機化学または一般化学8単位、有機化学8単位、物理学8単位、英語6単位、微分積分I, Ⅱ 6単位、統計学3単位を取得している必要があります。ハーバード歯科大学院は数学の授業を先修科目とする数少ない学校の1つです。また、歯科大学院によって解剖学や生理学、微生物学が必要であったりと必要な先修科目が異なりますので、事前にしっかり確認しておきましょう。ただし、学校が要求する先修科目を満たしていれば、ビジネスや心理学、アートなど他の分野を専攻していても構いません。アメリカでは、多様なバックグラウンドが学校の活気を高めると考えているため、さまざまな才能、スキル、知識を持っている生徒を求めている傾向にあります。実際、ライバルと差別化を図るためにあえて理科系分野と異なる専攻を選んで、自分の強みをアピールしている人もいます。DATスコアが必要!歯科大学院に入学するためにDATという歯科入学試験を受験する必要があります。すべての米国およびカナダの歯科学校では、入学審査にDATスコアが必要とされます。基本的に、歯科大学院に入学したい方は、先修科目である生物学、一般化学、および有機化学の単位を取り終えた後、3年生の春学期もしくは3年生と4年生の間の夏の間にDATを受験するのが一般的です。試験は4時間以上かかります。DATは4つのセクションで構成されており、受験科目は以下の通りです。Survey of the Natural Sciences (自然科学一般)90分Perceptual Ability (知覚能力)60分Reading Comprehension(読解力)60分Quantitative Reasoning (数学能力テスト)45分DATはプロメトリックテストセンターでほぼ一年中を通して開催されており、コンピューターベースのテストです。日本の大学受験では紙に回答しますが、DATはコンピューターに回答を打ち込むのが大きな違いですね。プロメトリックサイトにアクセスして、自分の住まい地に近いテストセンターで受験することができます。受験料は495ドル(日本円約65657円※1ドル132円計算2022年12月現在)と少しお高めです。自分の受けたテストの点数に不満がある場合は最大3回受験できるチャンスが与えられます。ただし、一度受験すると、90日間は二度目の受験資格はありませんので、ご注意ください。受験者平均スコアは17ですが、歯科大学院合格者平均スコアは19です。たとえば、世界的に有名であるハーバード歯科大学院では、合格者平均DATスコアは22で、最低でも20以上のスコアが望ましいそうです。GPAは非常に大事!DATでよい点数を取得することももちろん大切ですが、さらに重要なのは大学の成績であるGPAです。いい大学や人気の歯科大学に行くには高いGPAを取ることが不可欠です。たとえば、ハーバード歯科大学院の合格者平均GPAは3.85と非常に高いです。ハーバード歯科大学院では、決まったGPAがあるわけではありませんが、最低3.6以上のGPAが望ましいそうです。高いランクの歯科大学院に入学したいのならば、在学中の128単位すべてをA+またはAを維持する必要性があります。ですので、成績がBとかで単位自体は取得していたとしても、もう一回同じ教科を取り直して、A+を目指す学生も少なくありません。それほどまでにGPAはアメリカでは重視されています。次回はPART2です!